令和4年度研究主題
日常生活や社会生活に役立つ国語科教育の創造
令和4年度事業計画
1.第1回郡市部長会議ならびに研修会
開催日:6月10日(金)オンライン開催
2.国語指導者夏季研修会
開催日:8月 3日(火)
会 場:教育プラザいばらき
3.茨城県芸術祭小中学校美術展覧会
開催日:11月25日(金)~11月29日(火)
会 場:ザ・ヒロサワ・シティ会館
各学校1点で実施予定
4.第2回郡市部長会議ならびに研修会
開催日:2月頃
令和4年度 茨城県国語指導者夏季研修会
1.日時 令和4年8月3日(火)
2.場所 教育プラザいばらき
3.主催 茨城県教育研究会国語教育研究部
4.講師
茨城県教育庁学校教育部義務教育課 指導主事 谷島 竜太郎 先生
同 指導主事 蛯原 善明 先生
茨城県水戸教育事務所 学校教育課 指導主事 植松 陽子 先生
同 県北教育事務所 学校教育課 指導主事 小林 睦美 先生
同 鹿行教育事務所 学校教育課 指導主事 三原 知弥 先生
同 県南教育事務所 学校教育課 指導主事 塚本 桂子 先生
同 県西教育事務所 学校教育課 指導主事 濵野 貴之 先生
ひたちなか市教育委員会 指導課 指導主事 八木 克弘 先生
那珂市教育委員会 指導室 指導主事 野村 仁 先生
城里町教育委員会 指導室 指導主事 大内 達也 先生
5.参加者
県内各郡市小・中・義務教育学校、茨城大学教育学部附属学校教員 約40名
6.内容
国語科の授業におけるオンライン学習の成果及び課題、評価等について
7.日程
午前 9時00分 受付
午前 9時15分 開会行事
・あいさつ
・講師紹介
・研修内容の説明
午前 9時25分 グループ協議
午前11時20分 全体指導
午前11時50分 閉会
8.協議内容
教室とオンライン下で子どもの姿にどんな違いが見られたのか
【よい面】 ・いつも発言できない児童生徒もチャットで参加できた。(多数) ・チャットでよく反応し、意志表示ができた。 ・不登校児童生徒もカメラで姿を見せてくれた。 ・子供たちのリラックスした姿が見られた。(家にいる安心感) ・保護者の目があると、しっかりやれる子もいた。 ・黒板を見るのが苦手な子には、画面上で学習した方がよい。
【悪い面】 ・表情の見えない生徒が多く反応が分からない。(多数) ・ルールを守らず、学習に取り組めない子もいた。 ・集中力が続かない。寝てしまう子もいた。 ・チャット荒らしなどのトラブルが起きてしまった。
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オンライン学習を実施した際に感じた,成果と困ったこと
【成果】 ①取り組みやすい学習と評価 ・作文の下書きはオンラインでもやりやすいことが分かった。 ・手紙の書き方などはポイントを画面上に示せたので分かりやすかった。 ・運動会のダンスは、動画を見ながら練習することで覚えやすかった。 ・自分で撮影した写真をもとにお話作りをしたことで意欲的に学習できた。 ・周りのつぶやきや発言に左右されないので、各々が思考する時間を確保できた。 ・AIドリルを意欲的に進められた。 ・作品の提出(写真)をすることで評価もできた。子どもがお互いに読み合い、付箋で感想を書いた。 ・「課題」を提出させることで評価できた。 ・授業後の評価は容易にできた。
②オンラインでの意見の共有 ・チャットを活用することで一人一人のつぶやきを全クラスで共有できた。 ・ワークシートやノートの記述を簡単に共有することができた。 ・アンケート集計が簡単にできる。道徳などで利用できた。 ・全てのグループの活動をオンライン上で見ることができた。
③授業の改善 ・授業づくりを教師が振り返るよい機会となった。 ・教師側が伝わりやすさを考えて情報を絞ったことが分かりやすさにつながった。 ・注目してほしいことをピンポイントで示せたのはよかった。 ・プレゼンテーションソフトを活用することで、効果的にまとめることができた。
④教師の協働とその効果 ・チームを組んで授業を組み立てることができた。 ・他教科の先生とも協力して1時間の授業を作ることができた。 ・他教科の教師が関わることで、生徒の別の面が見られた。
⑤その他 ・保護者が授業を間近で見ることができたので、困り感を共有できた。 ・休校になっても学習を進めることができた。
【課題】 ①児童生徒の学習状況の見えにくさ ・児童生徒の反応が見えないので,難しさを感じた。(多数) ・さぼってしまう生徒がいた。 ・グループワークがやりにくい。机間指導しにくい。(多数) ・AIドリルの進度に個人差がある。取組内容も個人差が大きい。 ・AIドリルのポイントを集めるために同じ問題を何度も解くだけの子どもがいる。 ・一斉授業になりがち。生徒をあきさせない工夫が必要。 ・児童生徒同士のつながりをどう作っていくか。 ・特別支援学級の子は一斉授業参加の限界がある。 ・下位層へのフォローが難しい。
②評価 ・結果は評価できるが,過程が評価しにくい。(ひらめき、発想の転換、深まり具合) ・課題の提出ができなかった。 ・授業準備が大変でなかなか評価までいかなかった。 ・個人の進度や理解度を把握しにくい。 ・自宅での自力解決ができているかどうか判断できない。保護者の手が入っている場合もある。
③環境に関すること ・「セキュリティ」があり,使いにくさを感じた。 ・情報モラル教育の大切さを痛感した。 ・家庭環境の差(wi-fiがない 音を出せない)が大きい。 ・電波が悪く繋がらないことがあった。また、その電話対応にも苦慮した。
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またオンライン学習があった際には、どんなことが必要になってくるか オンライン学習でどこまでできるのか
①協働学習の工夫 ・効果的なグループ活動の設定を行う。(ブレイクアウトルームなど) ・ヘッドセットを利用した話合い活動を行う。 ・共同編集の効果的な活用をする。(ジャムボードなど) ・発言量を増やすためにブレインストーミングのようにチャットを利用する。
②環境の整備 ・インターネット回線の整備が必要。 ・OSが統一されるとよい。 ・オンライン学習用の指導書等があるとよい。 ・デジタル教科書を利用したい。 ・様々なアプリを併用して効果的に利用していく。
③授業の改善 ・視覚的に表出させる工夫(絵カードなど)をする。 ・全文シート配付が容易になった。共有もできる。 ・共同編集ができるようにする。 ・振り返り(学習の蓄積)を行い、変容を捉える。 ・データをノート化する。 ・教師のICTスキルの向上のために研修機会が必要。 ・アナログとデジタルの両方のよさを生かしていく授業を考えていく。
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子どもたちの評価をどうすればよいか
【評価の明確化】 ・どの場面で、どのような方法で評価するのかを明確にしておく。 ・評価の観点を1つに絞り、数値化して評価する。 ・評価ができる課題設定にする。
【評価方法】 ・「書くこと」の評価は課題や写真提出でできる。 ・「学習ノート」で蓄積する。順番も分かりやすい。 ・写真、データによるワークシートを作成する。 ・フォームスによる自己評価(振り返り)で変容などを捉える。 ・他己評価(作品鑑賞等)も取り入れる。 ・フォームスでミニテストを行う。 ・通常の授業では見えなかったよいところがあれば加点にする。 ・単元を通した指導・評価は通常通り行う。 ・「話すこと」は録音することで評価する。 ・タブレット内のフォルダを整理して評価しやすくする。
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今年度の夏季研修会は,昨年度から始まったGIGAスクール構想やコロナ禍でのオンライン授業,また不登校児童・生徒への学習の機会の保障など,様々な場面で考えられるオンライン授業について情報共有しました。昨年度の休校期間中のオンライン授業で感じた課題や成果,今後に向けた改善点など率直に意見交換を行いました。
また、講師の茨城県教育庁学校教育部義務教育課 指導主事 谷島 竜太郎 先生 と同 指導主事 蛯原 善明 先生から、新時代に求められる教育の在り方について、全国学力・学習状況調査の結果について、「小中学校における遠隔教育実証研究事業」の取組みについて具体的な事例を挙げながらお話いただきました。