「校長のリーダーシップが一層問われる時代に」
部会長 大 塚 昌 弘
(水戸・三の丸小)
これからの予測困難な社会を生きる子供たちには,自ら変化を創り出す力をつけ,正解のない課題に立ち向かい,他者と協働しながら最適解や納得解を生み出す力が求められています。
こうしたことから,今年度の全国連合小学校長会は,研究主題に「自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る 日本人の育成を目指す小学校教育の推進」を掲げ,必要な資質・能力を育む学校経営の提言及び実践に努めることとしました。
さて,昨年度はコロナ禍により,正解のない問いに,校長を中心として話し合いを重ね,最新の情報を収集し,他校と連携を図りながら,その時点で最良と考えられる対応を決断し,実践してきたことと思います。正に,予測困難な中での決断でありました。しかしながら,コロナ対策が,これまで変えたくても変えられなかった学校の「当たり前」を変えるチャンスとなり,前例にとらわれない発想で学校は大きく変わりました。
令和3年度も,ポストコロナによる新たな学校経営は続くことになります。いずれは終息することを願っていますが,終息後もせっかく改善できたことを以前に戻すことなく,学校のニューノーマルを定着させながら新たな発想で学校を創っていくことが求められます。
それと併せて,今年1月に中教審から出された答申「令和の日本型学校教育」の構築についても同時に考えていくことになります。今回の答申は,16年ぶりの文科大臣からの総合諮問に対する答申であり,確実な浸透と実践が求められます。
この二つのことを考えながら,新たな学校を創っていくためには,次々と出てくる目の前の様々な課題に対応しながらも,今後の時代を見据え,広く社会の現状を見極めることが必要です。また,組織力を高め,人材育成を図りながら教職員を生かすとともに,校長が「学び続ける教師」を身をもって示すことも必要です。さらに,学校の現状を把握し,教職員が安心して子供たちに向き合える環境も整えなければなりません。いずれにせよ,校長のリーダーシップ,覚悟,発想力が一層問われる時代になったと言えます。