令和6年度 会長あいさつ
令和の日本型教育の充実に向けて
茨城県学校長会 会長 大芝 静香
茨城県学校長会は、様々な専門性や経験をお持ちの校長先生方が、仲間と共に、お互いに支え合い、高め合っていく、自助・共助の組織です。
本会が先生方や学校のために機能し、協働した取組を進めていくためには、胸襟を開いての情報交換や共有が重要です。忌憚のない意見交換を行い、全ての会員が活躍し、本県教育の振興を目指して取り組んでいける学校長会にしてまいりたいと考えております。
私たち校長には、家庭や地域社会、関係機関等と連携・共同し、「すべての子どもの可能性を引き出す、活力ある学校づくり」を推進し、よりよい社会の創造に貢献できる子供たちを育てる使命と責務があります。学校では、学校生活も元に戻り、子供たちの活動の幅も広がってきましたが、コロナ禍の影響は未だに大きく、特に人と人とのつながりが希薄になったことなどは、子供も大人も共通の課題として抱えているところです。大きな転換期として、これまでの教育活動を見直し、より良いものとして再構成していくことが、私たち校長の腕の見せ所ともいえるでしょう。
令和5年6月には、第4期教育振興計画が閣議決定され、2つのコンセプト・5つの基本的な方針・16の教育政策の目標が示され、「持続可能な社会の創り手の育成」と「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」というコンセプトが示されました。いばらき教育プランにおいても、「次世代を担う人財」や「魅力ある教育環境」、「自分らしく輝ける社会」などを大きな政策の柱に、「グローバル社会で活躍できる人財」や「地域や社会を支える人財の育成」取り組んでいくことが示されております。
これからさらに進む少子高齢化により、一人一人の子供たちが担うものがさらに大きくなっていくことが予想され、そのため、一人一人に学力をはじめとする生きる力を確実に身に付けさせ、発揮できるように教育していく必要があるといえます。教育振興計画では、教育こそが、社会をけん引する駆動力の中核を担う営みであるとし、教育の重要性が強調されているところです。
一方、学校においては、学力向上への取組や不登校など多様化する諸課題、働き方改革の促進、教員不足への対応など、課題が山積しております。それらの解決に向けては、教職員の人財の育成が急務であり、課題となっています。
これらのことを受けて、昨年度から本会では「第4期中期教育ビジョン」のテーマを「次世代を担う「人財」を育成し、新しい時代の学校教育を推進する」として活動してきました。今年度は、中期教育ビジョンの令和5年度の評価・検証結果を踏まえ、2年次に向けて、茨城県教育振興大会宣言の実現を目指し、研修と実践による教員の資質の向上を図るとし、
・スクールリーダー育成のための行政との連携強化 及び
・教職員一人一人との対話に基づくキャリアステージに応じた研修の奨励
の2点を重点的な取組として掲げております。
これまでも、教職員の資質向上について、「令和の日本型学校教育」を担う「新たな教師の学び」に関して、様々な答申や指針が示され、県教育委員会からも「茨城県公立の小学校等の校長及び教員の資質向上に関する育成指標」の改訂版が出されています。各学校においても、それらを受け、人財育成に取り組んでこられたことと思います。若手教職員が増加している現在、校長として、教職員一人一人の力量を見極め、適切な研修の奨励や、適材適所での人材活用、OJTの活性化などにより、教職員の資質や能力の向上にむけて、さらに重点化し、計画的・継続的に取り組まなければなりません。 また、教職を多くの人に選んでもらい、力のある教員を確保していくためには、働き方改革をはじめ、教師が生き生きと活躍できる環境を整備することも、私たち校長に課せられた大きな使命です。
それには、子どもたちが生き生きと学ぶ姿を通して、学校現場から教員の魅力を、未来を担う若い人たちへの強いメッセージとして発信していきたいと思います。
併せて、私たち校長自身が、積極的ではつらつとした姿を見せながら学校経営を進めることが、元気な教職員集団を作り、未来を担う子供たちを育てることにつながるものと考えております。
ぜひ、今年度、子供たちの笑顔が輝くよう、学校教育の充実を目指し、皆様と知恵を出し合い、手を携えて、オール茨城の体制で、ともに取り組んでまいりたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします
令和6年度 茨城県学校長会組織
茨城県学校長会基本方針及び第4期中期教育ビジョン
令和6年度 茨城県学校長会専門委員会等主な活動計画
令和6年度 茨城県学校長会の活動について
学校・家庭・地域がそれぞれの役割を十分に果たしながら、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」のバランスのとれた子どもたちの育成に取り組む中、茨城県学校長会は、「理念も実践も兼ね備えた有言実行の教育専門家集団」として、教育の中心的な役割を担う組織としての自覚のもと、活動を推進していく。
学校において、私たち校長は、トップリーダーとして明確なビジョンを示し、具体的な実践と検証を重ねながら、創意と活力に満ちた学校経営に努め、学校からの教育改革を推進することで、県民の信頼と期待に応えなければならない。
茨城県学校長会は、教育基本法を踏まえ、先達が築いてきた精神と業績を継承するとともに、英知と情熱を結集して、基本方針と第4期中期教育ビジョンに示した今年度の活動目標の具現化に努める。
【令和6年度に向けて】
第4期中期教育ビジョンにおける令和5年度の評価・検証の結果を踏まえ、「多様な専門性を有する質の高い教職員集団」の形成に向けて、「資質の向上に関する育成指標」を踏まえた研修と実践による教員の資質の向上を図ることにより、第75回茨城県教育振興大会において示された宣言の実現に向け、教育活動のより一層の充実を図る。
第75回 茨城県教育振興大会宣言(令和6年1月31日)
1 安全・安心な教育環境を確保する。
1 次世代を担う「人財」の育成を目指し、創意ある教育活動を展開する。
1 信頼され、期待に応える教職員を目指す。
【令和6年度の重点】
<第4期中期教育ビジョン(3か年(令和5~7年度)活動目標(2年次))>
次世代を担う「人財」を育成し、新しい時代の学校教育を推進する
<視点1> 行政との連携
「人財」育成のための働きかけ
○教員免許更新制の発展的解消に伴う「新たな教師の学び」の実現に向けた仕組みの構築
○質の高い教育実現のための人的配置に向けた調査研究
○管理職(スクールリーダー)育成のための連携強化
○教職をめざす人財確保のための教員の魅力発信(大学等)
<視点2> 学校の取組
教職員の「人財」育成
○教職員の資質・能力向上のための校内研修の充実
○教職員一人一人との対話に基づくキャリアステージに応じた研修の奨励
○教師自らの主体的な学びのためのマネジメント
○専門的な知識や技能を生かすための教育委員会、大学、各種団体との連携